他の伝承武術について

本来戦う場合、その時、場所、目的、所謂TPOにより使用する得物を使い分けます。時間の短縮、速攻には馬、遠距離には鉄砲、弓、近距離には槍、薙刀、更に近づけば長巻、刀を使用し、手の届く相手とは鎧通を抜いての組討となります。昔の武術は現代武道とは異なり、あらゆる得物を使いこなせる総合武術でありました。今に残る流儀でも古いもの程この色合いが濃く残っております。

これが江戸時代に入りますと、これら総合武術の中から剣、柔、弓、槍、長刀等の特定の得物を使用した武術が単独に近い形の流儀として独立する様になりました。このため各藩においては、ある程度藩内で特定された剣術、柔術、槍術等の各流儀を個別に修行する様になりました。その様な中にあって筑前黒田藩において神道夢想流杖術を修行する者には、神道流剣術、一角流十手術、一心流鎖鎌術等の数流儀を併せて修行する者が多かったため、現在まで杖術とともに他の武術も伝承されております。